地域や季節に応じて楽しめる海の幸
日本は四方を海に囲まれており、暖かい太平洋と冷たい日本海の双方の海の幸が獲れる恵まれた環境にあります。
南北に長く北海道のオホーツク海などから、九州や沖縄、四国などの暖かな地域、瀬戸内海などの内海など様々な海の幸が楽しめます。
かつてはその地域だけで楽しんでいた海の幸も、流通の発展で全国有数の規模を誇る東京の魚市場に水揚げされて直ぐに全国から集まってきたり、お取り寄せで産地直送の新鮮な海の幸がご家庭に直接届くなど、旬の味覚を全国各地から取り寄せて楽しむことも可能となっています。
昔から根付いてきた魚を食べる伝統文化
海と山に囲まれた日本では昔から野菜や豆と米、魚を中心とした伝統的な食文化が営まれてきました。
海に面していない地域では干物や煮干し、塩漬けの魚、発酵させて貯蔵性や保存性を高めた魚などを産地から運んで食べており、福井から京都にかけての鯖街道をはじめ、魚が運ばれてきたルートが賑わいをみせてきました。
近年は食生活の欧米化に伴い、肉や乳製品などの摂取量も増えていますが、やはり、朝は塩鮭や鯵の干物に味噌汁にご飯の朝食、昼間のランチにはサバの味噌煮定食や焼き魚定食に刺身定食、夜には刺身やエビやイカの天ぷらで1杯やりながら晩酌といった魚がメインの和食は落ち着きますし、多くの人が愛する食文化でもあります。
日々の食卓から晴れの日の食事まで
日本は海の幸が豊富な恵まれた環境のもとに古くから食文化が築き上げられており、日々の食卓はもちろん、晴れの日にも海の幸は欠かせません。
結婚式や子供の誕生、お食い初めをはじめ、お正月などお祝いごとの席には、真っ赤な尾頭付きの鯛が今でも好まれています。
日々の食卓には大衆魚とも呼ばれる、大量に水揚げされて安価でしかも脂が乗って美味しいイワシの煮つけやししゃも、秋刀魚の塩焼き、サバの味噌煮、鮭のおにぎりなどを楽しみ、晴れの日や豪華に楽しみたい時には鯛の姿焼きやカニやウニ、フグなどの高級魚が登場するのです。
日々の食卓にのぼるイワシの目刺し、サバや秋刀魚などの青魚はDHAやEPAといった抗酸化成分が豊富で、血液をサラサラにし体の老化を防いだり、生活習慣病の予防に役立つほか、記憶力を高め、認知症予防などにもよいと言われています。
日本が世界にも稀に見る長寿大国になったのも、長生きしている世代の方は子供の頃から魚をメインとした食生活を続けてきたからだとも言われるほどです。
現代人は魚の摂取量が減っているといわれていますが、せっかく豊富な海の幸があるのですから、毎日積極的にいただきたいものです。